FROM SAITO CITY MIYAZAKI

西都市で新しいことをはじめるためのヒントが、ここで見つかる!

西都の個性を照らすアート PROJECT

アートを軸に西都市を鮮やかに変えていきたい。
新人地域おこし協力隊の日々

地域おこし協力隊 大沢なつみさん

14 Thu. October, 2021 KEYWORD
  • リモートワーク
  • あそび・趣味
  • 子育て
大沢なつみ

地域おこし協力隊 西都歴4か月

埼玉県日高市出身。東京造形大学美術学科卒業。以前は東京都内の子ども向け絵画造形教室で、講師として5年半勤務。2021年6月に西都市へ移住し、地域おこし協力隊として移住希望者を支援中!また西都市の中学生へ美術を教えるなど、東京での経験を活かし子どもたちの笑顔もつくっている。

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14 Thu. October, 2021
はじめる人へのメッセージ

誰かが何か新しい事を始めようとしたらすぐ第一人者になれます。チャンスがいっぱいおちてるので、やりたいことがある人は是非来てください!

西都市への移住を検討する方の相談窓口となる「西都はじめる相談窓口(西都市移住・定住支援センター)」。ここで働くのが、『地域おこし協力隊』に所属する、大沢なつみさんです。大沢さんは美大を卒業後、都内で子ども向けの絵画造形教室に勤め、絵や工作が好きな子どもたちと創作活動に没頭する日々を送っていましたが、ご家族の事情もあって移住を決断。今年6月から西都市で暮らし始めた、移住者のひとりです。

移住のきっかけよりも、
ここで「なにを」したいか

「西都市のことは、最初は全然知らなかったんですよ。宮崎県も旅行で一度行ったことがあるくらいで。夫とどこに移住しようかと話し合うなかで、宮崎に彼のルーツがあることや、私が昔から神話や古代文明が好きなこともあって、候補に上がってきたのが、古墳や考古博物館がある西都市でした」

『地域おこし協力隊』の募集を知ったのは、ちょうど本格的に移住を検討し始めたころ。やりたいことがあれば、自主企画で好きなこともできると聞いて、それなら西都市でもアートにまつわる活動ができるかも、と思ったそうです。
 
 大沢さんのお仕事は、「西都はじめる相談窓口」に寄せられるお問い合わせへの対応はもちろん、本格的に移住を検討されている方には見学ツアーを実施したり、物件の探し方のアドバイスを行うなど、じつにさまざま。県内有数の農産地でもある西都市には、就農体験ツアーや、初期のリスクを抑えて農業をはじめられる「JAトレーニングセンター」など、さまざまなフォローアップ体制が整っています。大沢さんは、移住希望者とこれらの関係各所をつなぐハブでもあり、伴走者でもある、というわけです。

「最近だと家族で農業をしたい!という方や、コロナ禍でテレワークになったことで移住を検討し始めた方など、2・30代の方もいれば、60代の方からの相談も受けています。オンラインで相談を受けたサーフィンが趣味のフォトグラファーの方は、 “空港にも海にもほどよく近いから” という理由で移住を検討している、とおっしゃっていました。アクセスの良さは、西都市のメリットだと思いますし、推していきたいポイントですね。その人に合った移住の形を一緒に叶えていけたらいいなって思っています」

 大沢さん自身、前述の理由で宮崎県に移住することは決まっていましたが、居住区までは決めておらず「さぁ、どこにしよう」と悩んでいたころに訪れた『宮崎ひなた暮らしUIJターンセンター』での出来事が心に残っているそう。担当者の方が「あなたに合う市町村を探しましょう」と、条件や希望、好きなことなども親身になって、事細かに話してくれたといいます。

 「古代文明が好きという話になり、西都市の存在を知って写真を見せてもらったんです。そしたら、私の故郷である埼玉県日高市にすごく似ていたんですよね。これも縁なんですけど、似ている景色がある場所は、肌馴染みがいいんじゃないかって。きっかけって、そういうものでもいいんだと思います。少しでも西都市に移住を検討している人がいれば、あの時私がしてもらったように、親身になってお話を聞きたいですね」

美術部のない学校で、
絵の楽しみを伝えていく

そんな大沢さんがもう一つ力を入れているのが、業務の一環でもあり自主的に行っている、アートの活動です。穂北中学校の壁に掲げられたパネルアートも、その一環。西都市のお祭りや四季の風景を鮮やかに表現した大きな絵は、大沢さんがアドバイスをしながら生徒が描き上げたものだそうです。「そもそも、穂北中学校には野球やサッカーなどの運動部しかないので、運動が苦手な子は部活に入れなかったんですが」と校長先生が話してくれました。

「あるとき、部活に入っていない子たちが放課後に“絵、描いていいですか”って、保健室に集まってたんですね。その絵が、とても上手で。この才能をこのままにしておくのはもったいないし、なんとか活かしてやれないか……と思っていた時に出会ったのが、大沢さんでした。

うちの中学校では、地域で活躍する人たちの話を生徒に聞いてもらう企画を行っていて、どういう経緯で西都市にいて、どんなことをしているのかを『人生紙芝居』という形で話してもらっているんです。この企画に大沢さんにも来ていただいたのですが、彼女の紙芝居の飛び抜けたクオリティに驚きましたね。私も少し絵をやっているので、これはすごいぞってわかりました。すぐに大沢さんと話して、このパネルアートを生徒に描いてもらう、という流れになったんです」

「そうでしたね。私もいずれは西都市でまた子どもたちに絵を教える場を作りたくて、そのための実績を積んでいきたいと思っていたんですよ。校長先生と話している流れで、放課後にアート活動をさせてもらえることになって、すごく嬉しかったです。パネルアートはその第一歩。絵の具の塗り方ひとつで絵の表情がグンと変わるので、教え甲斐がありました。今秋からは、本格的にワークショップのような活動をさせてもらえるので、絵だけじゃなく工作などもできればいいですね」

「大沢さんの働きかけのおかげで、絵が好きな子たちが伸び伸びと描ける場所を作ることができて、本当に嬉しいです。『今度、油絵を教えてくれるみたいだよ』と生徒に言ったら、すごく楽しみにしていました。美術の先生自体がいないこの学校にとっても希望になるはずです」と校長先生。

  大沢さんの「好きなこと」が子どもたちの「好きなこと」と共鳴し、未来へと繋がる。こんな素敵な流れが、西都の街で静かに生まれています。