FROM SAITO CITY MIYAZAKI

西都市で新しいことをはじめるためのヒントが、ここで見つかる!

未来を育てる街角プログラミングPROJECT

プログラミングを通したIT教育で、
地域の可能性をひらく。

プログラミングスクール代表 村岡雄史さん

24 Thu. November, 2022 KEYWORD
  • 起業・小商い
村岡雄史さん

プログラミングスクール代表 西都歴4年

都城市に生まれ、結婚を機に宮崎市内に移り住んだあと、西都市へ。地域を支えたいという思いから自身の経験を活かしてプログラミング教室を開校した。

  • 起業・小商い
24 Thu. November, 2022
いきつけのお店は?

「LIFE LONG BURGER」さんや「寿司会席 ますや」さん、「すし善」さんなどです。うちのすぐ近くにこんな美味しいところがあるのはすごく助かります。

 2022年4月、西都市内の商店街にオープンした「ステッパーズ」は、気軽にプログラミングの基礎を学ぶことができるプログラミングスクール。取材に伺ったこの日、教室では生徒のみなさんが声をあげながらそれぞれのパソコンで必死に何かを操作していました。一見すると、ゲームのように見えますが……。

 「これは『マインクラフト』という、今世界的に大人気のゲームです。ステッパーズで重視しているのは、まずプログラミング自体に慣れること。このゲームも遊びながら少しずつJavaScriptやPythonといった言語が覚えられる設計になっているんですよ」

 そう話すのは、代表を務める村岡雄史さんです。プログラミングと聞くと言語を習得し、コードを書き連ねていくという専門的なイメージがありますが、いきなり難しい内容に挑戦して挫折してしまっては元も子もない、というのが村岡さんの考え。そのため、ステッパーズでは長期的にプログラミングに触れ続けられる環境づくりにフォーカスを当てています。部活や習い事で時間が取りづらい方でも通いやすいコマ割りにしたり、教育費に余裕のない方も通えるよう料金を安価に設定しているのはその一例。現在は小学校低学年、高学年、中学校の3コースありますが、今後は年齢の関係ないレベル別のクラスへの組み直しを検討しているそうです。

子どもたちにプログラミングの機会を

 都城市に生まれ、結婚を機に宮崎市内に移り住んだあと、約四年前に西都市へ引っ越してきた村岡さん。ステッパーズが入居するフロアの奥には、自身の経営するウェブ制作会社のオフィスを構えています。ここで朝から夕方まで仕事をこなし、夕方からは子どもたちを迎えて教壇に立つ、というのがいつものルーティンです。多忙を承知で新たな事業に乗り出した理由を伺うと、地域を支えたいという思いと、地方のIT教育への焦燥感がありました。

 「怖いなと思ったんですよ。これからの子たちはITの知識が前提の時代に生きていくわけじゃないですか。それなのに、地方ではお金になりづらいこともあって、プログラミングを教えようとする人がなかなかいない。知り合いの教員関係者の方も『プログラミングの授業は1ヶ月に1、2回しかなくて、教育と呼ぶには……』と言っていて。このままだと都市部と地方の差はどんどん開いていく一方で、就職の際にも影響が出てしまうかもしれない。こうした課題に少しでも貢献できればと思ったんです」

 開業してから日は浅いものの、既に多数の生徒を抱えており「手応えを感じつつある」と村岡さん。子どもには早期からパソコンに触れてデジタルに慣れていってほしい。そんな地域の声の受け皿となれたことがやりがいに繋がっているそうです。こんなエピソードも教えてくれました。

 「先日美郷町の友達の家でキャンプをして、初めてプログラミング教室を始めたことを話したんです。そしたら(西都市まで)片道1時間半ぐらいかかるのに、連れて行くって言うんですよ。さすがにそれは大変なので、オンラインでやろうということになりました。今年は西都市に集中しますが、今後は近隣の街にも店舗を増やしていけたらいいなと思っています。ただし、先生は全てオンラインで、現地にはサポーターがいるという形。地方にいる子たちにプログラミングの機会を提供して、輩出していくという流れを作るのが理想ですね」

食やお酒に恵まれた “ちょうどいい”場所

 奥さんのご親戚が多いことや、他県へのアクセスの良さといった都合から西都市への引っ越しを決めた村岡さんですが、実際に住み始めてみると、ゆったりとしたまちの空気がとても心地よいことに気づいたそうです。始業前に西都原古墳群を歩くことが、毎朝の日課となりました。

 「歩くと精神統一できるので、仕事にも集中できます。それと、食べ物やお酒も美味しいですね。妻方の親戚がたくさん居るので、今の時期だとスイートコーンなどが毎日のように届きます。ゴーヤやピーマンなんかも本当にたくさん。僕の家庭でも食べきれないので近所の人や同僚に配ったりするんですけど、そういう古き良き田舎の風景が残っているところはすごく面白いですね」

 都市部と比べると買い物をしたり、遊んだりする場所はやっぱり少ない。だから刺激を求めたい人よりも、のんびり自分のペースで過ごしたい人に向いている。そうした地方特有の空気感があると言いつつも、村岡さんは不便さを感じたことはなく、快適に過ごせているそうです。子育ての環境においてもこの「ちょうどよさ」が通じると教えてくれました。

 「待機児童がいない一方で、小学校にはけっこうたくさんの人数がいて、十分友達との友情を育めます。子育ての環境としてはとてもいいなと思います。休日に清水台総合公園あたりまで足を伸ばして遊ぶのも楽しいですよ」